成長期の子供の膝には大人の骨とは違い成長するための骨端軟骨と骨端線があります。その部分に大腿四頭筋が膝蓋骨を介し膝蓋靱帯となり付着しています。成長軟骨は読んで字のごとく骨よりも柔らかいので引っ張られることにより損傷を受けてしまうのです。その引っ張られる力が繰り返し加わることで骨端線に損傷をきたしその部分繰り返し炎症が起こりどんどん痛みが増幅していき運動障害を起こします。ひどくなると歩くことはできますが軽いランニングで痛みが出てしまい、またコンタクトがあるスポーツは怖くてできなくなります。

成長期の子供はまず骨が伸びその後に筋が追いつくように伸びていきます。そのためどうしても筋肉が引っ張られる力が強い時期が生まれてしまいます。したがって大腿四頭筋に毎日優しいストレッチを行い筋の伸張性や発育を促す事が予防になります。しかし自分でできる事には限界がありますので筋肉に対する治療、脛骨粗面に対する局所への炎症軽減を目的とする治療が必要です。子供の時に痛みを押しての過度な運動は控えるべきだと思います。

一番大切な事は過度な運動を控えることです。子供は小さな大人ではないのです。適度な痛みが増強しない程度の運動をしながら患部の炎症の鎮静化、大腿四頭筋の柔軟性の獲得・大腿膝蓋関節の可動域などに注目して手技療法・運動療法・物理療法をしていきます。痛みがあるときは無理に運動をせずに安静を保ち大腿四頭筋の柔軟性の獲得、膝蓋靭帯付着部の脛骨粗面の炎症の鎮静化を行います。